EDは、様々な要因が複雑に絡み合い引き起こされる病気です。
加齢によるものと考えられがちですが、ストレスが原因となったり、病気が原因となったり、常用薬が原因となったりと、人によって大きく状況が変化します。
その中でも器質性EDは、身体の異常が原因となるEDを指します。
ここでは、器質性EDについて基本的な情報をED専門治療院であるユナイテッドクリニックの医師 菅原先生が詳しく紹介していきます。
器質性EDとは?
器質系EDは、身体に何らかの異変が生じることによりEDが引き起こされます。
心因性のEDとは対照的に、物理的な原因があることが最大の特徴です。
病気や怪我、老化からくる身体の異常が引金となるため、高齢になるごとに器質性EDにかかるリスクは高まります。
そのため、高齢の方のEDでは、まず器質性EDが疑われます。
逆に若い世代のEDは、心因性EDである可能性が高いです。
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身体機能の障害という物理的な原因があるため、EDが発症する前の状態まで回復することは難しいケースも多いといえます。
しかし、薬や手術によりEDを改善することは可能なので、諦めなくても大丈夫です。
器質性EDを発症する主な原因
器質性EDは、身体の何らかの不調が原因となりEDが引き起こされています。
では、具体的にどのような不調が器質性EDへとつながってしまうのでしょう。
ここでは、器質性EDが発症する引金となる主な原因を、いくつか紹介しておきましょう。
加齢
勃起は、陰茎にある海綿体とよばれる部分に血液が充満することで実現します。
つまり、血管に異常がある場合、EDになってしまう可能性が高くなるということです。
血管の異常は、年齢を重ねるごとに増えてきます。
血管も肌と同じく、年を重ねるごとに弾力性が低くなり硬くなってくるのです。
これがいわゆる動脈硬化と呼ばれる状態です。
これは、一種の老化現象なので防ぐことはできません。
血管が弾力性を失えば、勃起するために必要な血液が送りこめなくなります。
これが、加齢による器質系EDが引き起こされるメカニズムです。
特に陰茎の血管は細いため、血管の老化の影響を大きく受けやすい部分となっています。
器質系EDで最も多い原因は、動脈硬化によるものです。
動脈は年齢を重ねるごとにどうしても硬くなるので、加齢は器質系EDの最大の原因と言ってもいいでしょう。
生活習慣病
生活習慣病の中には、血管や血流が密接に関係している病気があります。
まず高血圧は、安静時でも血圧が高い状態になる病気です。
常に血管の内壁に高い圧力がかかっているため、その分血管の老化が早くなってしまいます。
通常よりも早く血管の柔軟性が失われるため、血流が悪くなりEDを引き起こす可能性が高まります。
また、糖尿病は摂取した糖分が血液中に留まってしまう病気です。
常に血液に糖分がある状態になってしまうと、血管のタンパク質が糖化してしまい、動脈硬化につながってしまうのです。
動脈硬化が起これば、血流が悪くなり器質性EDの原因となることは少し前に説明しましたね。
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高血圧や糖尿病など、血液や血管に関係のある生活習慣病は、血流を悪くするためEDの原因となります。
規則正しく健康的な生活を心がけることは、器質性EDの予防にも役立つのです。
手術や外傷の影響
前立腺や膀胱、直腸など骨盤内臓器に関わる手術を行った場合、勃起に関わる血管や神経を傷つけてしまう恐れがあります。
また場合によっては、血管や神経を摘出するケースもあるでしょう。
こうなると、必要な血管や神経がなくなってしまうため、EDを直すことがほぼ不可能になってしまいます。
命に関わる病気の場合、EDを気にしている場合ではないかもしれません。
しかし、器質性EDを引き起こすと、手術後の生活の質を低下させる原因となります。
そのため、手術前にお医者さんとEDのリスクについても話し合う必要があるでしょう。
また、不慮の事故などにより骨盤周りに怪我をしてしまうと、神経を損傷してEDが引き起こされるケースもあります。
外傷の場合は、神経の回復と共にEDも改善する可能性があるので、諦めは禁物といえるでしょう。
神経が障害される病気
勃起は、脳が受けた性的な刺激が、神経を通じて陰茎に伝わることで起こります。
この神経がうまく刺激を伝えることができなければ、勃起しなくなってしまうというわけです。
そのため、中枢神経や末梢神経が傷害される病気にかかってしまうと、器質性EDにつながることが考えられます。
神経が障害される病気の一例としては、脳腫瘍や脳出血のような脳の異常、てんかん、アルツハイマー病などが挙げられます。
男性ホルモンの減少
男性ホルモンの一種であるテストステロンは、性欲や勃起力と密接なかかわりを持っています。
ところがテストステロンは、30歳を過ぎたあたりから徐々に分泌量が低下してきます。
場合によっては一気にテストステロンが減少してしまい、これがEDにつながる要因となってしまうのです。
テストステロンの減少は、加齢の他にもストレスや飲酒、喫煙も原因となりえます。
また、テストステロンの分泌が阻害される疾患もあるので、一度お医者さんに見てもらうようにしてください。
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器質系EDの治療方法
器質系EDの治療は、原因となる身体の不具合によって異なります。
場合によってはED治療薬が使えないケースもあるため、必ず医師の診断を受けた上で適切な対処をすることが重要です。
もし勝手にED治療薬を服用するようなことがあれば、薬の副作用で思わぬ事態に陥る危険性もあります。
薬が使えない場合でも、EDの治療法はいくつか用意されているので諦めないでください。
器質系EDには、以下の治療法で対処できます。
ED治療薬
ED治療薬は、陰茎の血流を改善する効果のある薬です。
そのため、動脈硬化など血管の不具合が原因のEDでも一定の効果が期待できます。
ただし、薬には副作用があるため、使用できないケースも少なくありません。
特に器質系EDは高齢の方に多く、常に服用している薬がある方も多いことでしょう。
併用する薬によっては命に関わる事態も考えられるで、ED治療薬は必ずお医者さんの問診を受けた上で処方してもらうようにしてください。
陰茎注射
陰茎に直接血管拡張薬を注射することで、勃起を促す方法です。
直接陰茎に薬を作用させるため、ED治療薬を服用できないケースの患者さんでも利用できます。
また、ED治療薬で効果が得られなかったケースでも、陰茎注射ならED改善の可能性が高くなります。
ただし、日本ではED治療薬の自己注射は禁止されています。
病院などで注射してもらってから性行為を行う必要があるため、少し手間のかかる方法です。
陰圧式勃起補助具
陰圧式勃起補助具は、陰茎に陰圧をかけることで、血液を強制的に流れ込ませて勃起させる装置です。
薬は一切使用しないため、どのような薬を服用していようと利用できることが特徴です。
装置のシリンダーに陰茎を挿入し、ポンプで空気を抜いていくことで血液を陰茎に流れ込ませます。
十分勃起したら、締め付けバンドを陰茎の根元に装着し、勃起を維持する仕組みとなっています。
バンドにより血流を止めることになるので、利用は30分に留めなければなりません。
圧力により強制的に血液を流し込むため、生理的な勃起とは異なります。
性的刺激がなくても勃起させることができますが、その分満足度には大きなバラツキがあるようです。
器質性EDの治療はユナイテッドクリニックに相談しましょう
器質性EDは、病気や身体の不調により、血管に不具合が出ることで引き起こされます。
ED以外の病気も絡んでくるため、必ず医師に診断してもらうことが必要です。
早めに相談していれば、血管の病気にいち早く気が付くことができるかもしれません。
EDに関わる血管は細いため、血管の不調が早く症状としてあらわれやすいのです。
ED以外の部分でも健康的な生活を送るために、早めに私たちユナイテッドクリニックに相談してみてください。
初診料・診察料が発生しないため、お気軽に来院することが可能です。
もし器質性EDかもと思ったらユナイテッドクリニックへご相談ください。